加藤仁『定年後の居場所を創る 背広を脱いだ61人の実践ファイル』

人生をジュニア、ミドル、シニア、と分けたとき、定年というのがミドルとシニアを分ける一つの境目だろう。恐らく、この境目を迎える前にシニアとしてどう生きるかを考えてミドル期に準備しておくのとしておかないのとではシニア期の満足度愛は異なるのだろうと思う。

 

では、何を準備しておけばよいのだろう。そこに正解はない。個人個人で、それまで身につけてきた考え方、スキル、経験、思い、ネットワークは異なるし、これから出会う縁や運も異なるのだから。

 

とはいえ、本書に紹介されている各人各様の晩年の生き方を見ると、前を向いて生きていくことで、縁や運を味方につけていくことが大事なのだろうという気がする。過去にとらわれて身動きがどれなくなってはいけない。

 

昔、河合隼雄さんが若いほどの方が余程、固定観念に縛られて不自由だった、というような趣旨のことを仰っていたような気がする。そういう側面もあるかもしれない。自分が何に囚われているのか、次第に自己理解が進み、また、ある意味で「まぁいっか」と諦観をに身につけていくから、中年以降の方が自由になれるということなのかもしれない。そんな自由さを持っていたいと思う。

 

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